
今からちょうど10年前の今日、ポートダグラスでアメリカ人カップルが、ダイビングボートに置き去りにされた事件がありました。
それを意識してかどうか、5日ほど前には、「オープンウォーター」というアメリカの映画をテレビで上映してました。
ストーリーは、やはりダイビングボートに置き去りにされたカップルが、漂流しながら最後はサメに襲われる(?)というストーリーで、このポートダグラスでの置き去り事故をモデルにした映画とか。
ご主人は、キリスト教の宗教家で、フィジーでの宗教活動を終えて、2人で10日間のバケーション中だったそうです。
この事件には、いろいろ噂があって、ご主人が自殺を望んでいて、奥さんを巻き添えに無理心中したとか、保険金目当てだったとか、いろいろ言われていました。実際に、ご主人の日記の中で、自殺をほのめかす文章が事故の数日前に書き込んであったり、フルスーツでフード付きのウエットスーツでダイビングしていていながら、翌日の捜索で、遺品すら見つからなかったとか、疑問に思われる点がいくつかあったのも事実です。
ま、事件の真相は、どうであれ、私も実際に、当時、リーフの上に置き去りにされたダイバーを2回程、見つけたことがあります。丁度、ボートが大型化する過渡期で、それまでの安全管理ではカバーしきれなくなってきていた時期だったように思います。
今では、ダイビングボートは、必ず、ダイビング中の監視者を立てなければならないようになっていますし、ポイントを移動する際の人数確認の徹底と、その人数の記録と保管、あるいは、各ダイバーのエントリー、エクジットの際のダイブロスターへのサインなど、かなり徹底した人数確認が行われています。
漂流に備えたマーカーブイも、今では、ファンダイバーは必ず携行しなければならないようになっていますし、ボート上でレンタルもされています。
行政サイドでも、監察官が抜き打ちで各ダイビングボートへ乗り込み、規定通りのオペレーションを行っているかどうかチェックしています。
漂流した経験のある方はわかると思いますが、ダイバーからボートが見えていても、ボートからは、波間に見え隠れするダイバーを見つけるのはなかなか難しいものです。
沖縄にいた頃、冬の北風の強いとき、ウインドサーファーが沖に流されて、ボートで探しに出たことがありますが、日没まで、探して、結局、見つかりませんでした。あのときは、捜索しているこちらのボートが転覆するかと思うような時化の中での捜索でしたが、ウインドサーファーは運良く、別の島に流れ着いて助かりました。後で話を聞くと、本人からは、私の操船するボートは、かなり近くに見えていて、何度も手を振ってみたとのことでした。
伊豆の神子元島でドリフトダイビングをやったときのこと。エントリーしてすぐ、耳の抜けないお客さんがいて、それにつきあって水面に浮いていたのですが、最初にエントリーした他のお客さんが、勝手に潜降してしまい、引率していたグループが2グループに離れ離れになってしまいました。
事前のブリーフィングで、「くれぐれも一緒に潜降すること」と念押ししていたのに、と思いながら、どうにか耳も抜けて、水中へ。先に潜降したグループと海底で落ち合えればと思ったのですが、流れが速く、透明度もそんなによくなかったので、それは無理と判断して、さっさと浮上。
ところが、ボートは、最初の打ち合わせ通り、浮上予定地点に移動してしまい、遥かかなたへ。
ボートは、潮の流れの下手にいることは判っていたので、流れに任せながら海上を漂うこと20分。やっとボートが見つけてくれて、無事にボートに回収されました。先に潜降していたグループも「楽しかったわ、どこに行ってたの?」なんて言いながらエキジットしてきて、かなりムットしたのを覚えています。
その時に、マーカーブイの必要性を痛感し、それ以来、マーカーブイとダイビング用ホーンは必ず携行するようになりました。 緊急用品って、使わない方がいいに決まってますし、かさばるし、邪魔なだけですが、ないと困る時が必ず出てきます。
買いなさい!!! ダイビングでは、命をお金で買えます。


